光造形物の鋳造について
まず、光造形に使われている樹脂の成分は何か、全体的にはアクリル樹脂が多い、イタリアのデジタルWAXの白い樹脂はエポキシ系樹脂になります。
アクリル系樹脂は、大体のものが350度近辺が発火する温度帯になります。
そして、樹脂を大気中で燃やすと最終的な残渣が0.2%〜残ってしまいます。そのため、98%は、燃えるといえます。
アクリル板を熱したことがある方は気付くと思いますが、アクリルは収縮します。逆に石膏は膨張します。
この辺が光造形の鋳造の難しさになります。
樹脂の成分を見てみると、強度を出すためにグラス系の成分が入っているものもあります。その樹脂は確実にキャストはできないと思います。(当初、販売店さんは、それでもキャストできますと販売してましたが。。。。)
鋳造の時に重要になることは、
1.強度のある石膏を作る
アクリル専用の石膏も世界的にみれば販売されております。
また、ジュエリー用鋳造石膏の加水時にホウ酸等を加えて強度を
上げる(グラス系のものでもよい)
急激な膨張・収縮を避ける
低温度時の石膏内水分を良く抜く(水分が切れるまで石膏内は99度のままです。)
焼成炉の上昇時間をなだらかなラインにする。(膨張・収縮が急激に起こらないようにする)
樹脂の発火点で温度を保ちじっくり焼く(炭化を防ぐ)
樹脂の発火点を把握し、若干上の温度帯で良く焼成を行う。(焼成炉は通常無酸素状態なので、同温度だと燃えにくい)
最大温度まで上げて樹脂を焼き切る
残渣を少なくするため、石膏が壊れる手前まで温度をしっかり上げる。
などが言える。
焼成炉は、同じ条件を保つため小さな専用炉を用意したほうがよい、焼成炉が大型になると温度センサーの位置と石膏を置いている位置ではかなりの温度の開きがあります。2段のかまで上部と下部では60度の開きということもあります。
また、日本で成功した条件で海外でも同じというわけではありません。水質の違いなどもあります。
樹脂のキャストをテストしていて思うことは、業者さんは、卓上の理論で作っているというということ、また、キャスト屋さんは今までの流れの中でやりたいということ、98%のキャスト成功率ではだめだということ(ハードWAXでさえ100%ではないところもありますが。ハードWAXにはプラスティック系の成分をいれて固くしているので残渣は残りやすい)
インジェクションWAXが70℃ぐらいで溶けるところを180度ぐらいで脱漏をしているのであるから、その辺を気をつけて考えれば、たいていの樹脂はキャストまで持っていけます。
メイコーの樹脂と某社開発中燃焼できる樹脂を同条件でキャストしたところ、メイコーの樹脂のほうがはるかに鋳造がきれいでした
アクリル系樹脂が燃焼可能になると起こる問題としては、樹脂の強度がなくなるということが上げられます。強度がなくなると、後作業ができないこと、また、精度的にあいまいになる(段差がみえにくくなるからいいと言えばいいが。。)など
まだまだ、難しいです。
この、精度をたもったまま、燃焼ができる樹脂を生産可能となると
世界的な販売が可能で、億万長者も夢ではありません。メーカーさんたちも機械を作ってるよりいいとはいってますが、まだまだですね。期待してます。(可視光と不可視光の問題は凝固開始剤の問題だけなのでベースになるものができればいくらでも可能です。)
2010年01月06日
この記事へのコメント
インジェクションWAXが70℃ぐらいで溶けるところを180度ぐらいで脱漏をしているのであるから、その辺を気をつけて考えれば、たいていの樹脂はキャストまで持っていけます。
Posted by Prada replica handbags at 2014年06月19日 16:16
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